他の疾患について About other diseases

慢性疲労症候群(CFS)とは?

慢性疲労症候群(CFS)は、日常生活に支障をきたす程の病的な疲労倦怠感に悩まされる病気で、小児~成人まで幅広い年齢層で発症。免疫性の疾患では膠原病、心の病気では鬱や自律神経失調症などと、色々な分野の数々の病気と症状がダブる部分が多くとても鑑別しにくい病気です。しかし、厚生労働省の診断基準がありこれによって診断されます。尚、最低要件としては「他の病気による物で無い事」、「6ヶ月以上にわたる症状の持続」などが挙げられます。
主な症状としては、倦怠感(常に重りを背負っている様な体のだるさがあり、酷くなると起き上がれなくなります)、激しい疲労感、動いた後1日以上疲労感が残る、微熱、リンパ腺の腫れや痛み、頭痛、喉の腫れや痛み、関節痛、筋力低下、思考力・集中力の低下などです。
CFSの治療に関しては、病因が明らかではありません。現在特定の治療が見つかっているわけではなく、抗ウイルス薬や免疫グロブリン、免疫調節剤、ビタミン剤、向精神薬や睡眠導入剤、消炎鎮痛剤を対症療法として使用します。

線維筋痛症と重複している部分もあり、併発してる患者もいます。
が、はっきりとは解明されておりません。
診断を確定するまでには時間が掛かる場合があります。現実には区別できる専門医は少なく、結論が出ないままの場合もあります。治療上は区別できていなくても、両方を念頭に置きながら経過を見ていくしかないのが現状です。ただ膠原病は血液検査と診断基準がはっきりしているので、データが出ればわかりますが、病気が活発でない寛解期にはデータに現れないかもしれません。

反射性交感神経ジストロフィー(RSD)とは?

理解しにくい慢性疼痛としてRSDもまた治療の難しい疾患です。末梢神経の外傷により引き起こされた焼けつくような痛みと定義されますが、原因となる外傷が無い場合もあります。
簡単にいうと、外傷により痛みのシグナルが大脳に伝達される一方、交感神経が興奮して、末梢神経を収縮させ、出血などを止めようとする。出血が止まると交感神経の興奮も終わり、血管が拡張して組織修復のための栄養を送る。しかしこのメカニズムが異常になると、交感神経が過剰に反応して興奮が持続し、末梢神経が長時間収縮するため、組織の栄養が低下し(ジストロフィー)、それがまた疼痛を生じるという悪循環を起こすこととなります。
例えば歯を抜いたことさえ原因となりえます。また痛み止めの注射や神経節ブロックが痛みを増大する事もあります。骨折、捻挫、打撲のほかに脳血管障害、心筋梗塞、内臓疾患によっても起こることもあります。
診断は感覚異常、発汗・血流異常、運動機能の低下、四肢の萎縮、表層・深部組織構造の変化をみますが、はっきりとはしないようです。痛みは 単に外傷を受けた部分に留まらず、拡大する場合もあります。微風にさらされただけでも激しく痛む例もあります。診断と治療は大変専門的であるため慎重に行 うべきでしょう。
 

参考文献:SAWARABI・別冊 「難治性疼痛の臨床」 反射性交感神経性ジストロフィー(RSD) 広島大学医学部 整形外科 Vol.2 No.1,2,4 1991 Vol.3 No.1 1992
  :山梨医科大学のホームページ

その他の鑑別すべき疾病

SLE、RA、UCTD、ベーチェット病、その他膠原病

膠原病と呼ぶのは、慢性関節リウマチ、悪性関節リウマチ、フェルティ症候群、カブラン症候群、若年性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE )、強皮症(全身性硬化症)、多発性筋炎・皮膚筋炎、シェーグレン症候群、MCTD(混合性結合組織病)、結節性多発動脈炎(ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎、過敏性血管炎、高安動脈炎(大動脈炎症候群)、側頭動脈炎)、リウマチ熱、リウマチ性多発筋痛症などです。

膠原病はまだ原因が解明されおらず、症状は多彩で、原因不明の熱、皮膚の異常(発疹、結節など)、関節痛が共通して起こるようです。また、いずれかの疾患に明確に診断できない場合や、重複例、移行型もみられます。病気の進行に伴い、内臓の障害がみられる病気です。治療としては副腎皮質ステロイドを中心とする治療法等で病気の進行を抑えているのが現状です。この病気の多くは女性患者であり、20代から40代に好発します。医療の進歩にともない死亡率は減少しつつありますが、反面、長期療養を必要としている患者が増加しております。

1904 年 William R.Gomers 医師がはじめて線維筋痛症を発表した時には結合組織炎(Firositis)と呼ばれ、未分化型結合組織病(UCTD)と混同しやすかった過去もありまし た。線維筋痛症は、SLE、リウマチなどに合併して発症する事が多く、SLEやベーチェット病の初期には区別が難しい場合もあり、また線維筋痛症患者が後にSLEやベーチェット病を併発する事もあります。

このように、これらの疾患は非常に近い位置にあり、関節痛、筋肉痛、微熱、疲労感はどれにでも見られるので、専門医の精査が必要となります。

ドライアイ、口腔、粘膜の乾き、虫歯の多発、口内炎などは線維筋痛症でも見られますが、シェーグレン症候群の主症状でもあります。この病気の副症状は関節痛です。また関節痛と言うとリウマチが一番心配になるものです。SLEでも全身の関節痛が見られます。レイノー現象と言う、冷水に手指を入れると白くなり、 続いて紫、赤紫に色相が変わる現象は、SLE、強皮症にも見られます。手足の筋力が落ちるので、多発性筋炎に見えることもあります。手指の腫れ方、こわばり感はリウマチに似ています。食欲がなくなり落ち込む気分は鬱病みたいです。不眠、疲労感、下痢、月経困難は更年期障害、自律神経失調症と言われるかもしれません。

挙げていくときりが無いほど疑問は広がります。しかし全てが膠原病ではないかと心配する必要は無いと思います。膠原病は発病率も低く、最近では専門医でなくても理解が行き届いているので、かかりつけ医が疑問を感じたら専門医を紹介してくれます。膠原病は複数の症状、微熱、簡単な血液検査で白血球の増加、CRPと言う炎症反応、赤沈などを参考にして、精密検査の必要性を決めます。抗核抗体、補体に異常値がでたら疑いが生じてきます。

自己診断は危険ですが、更年期障害、自律神経失調、鬱、気のせい、怠け病、などといわれて納得がいかない場合は線維筋痛症の可能性も考えて見る必要はあります。ただ、線維筋痛症だと分かっても特別の治療法があるわけではなく、用いる薬は大体同じですが、納得がいく事は精神的には必要ですし、周囲の理解を得ることも症状を軽くするには大切です。

問題は線維筋痛症が周囲に理解されるかと言う事です。現状ではこの病名を知る医師は少数です。 医学書にも殆ど記載されていません。むやみに「自分は線維筋痛症ではないでしょうか?」というとかえって医師とのコミュニケーションを悪化させてしまう場合があります。周囲の人にも 「どこも悪くないのに些細な事で痛い、痛いと言っている」と思われがちです。
医師とのコミュニケーション、周囲との信頼関係など、精神面でのケアをどう確立していくか、最も重要であるのに個々人で環境が違うために一般論として論じる事ができません。
悩みがある方は是非メールを送ってください。