薬剤治療 Medicine treatment

線維筋痛症に対して特効薬という考え方は現状では難しい面があり、薬だけではなく体全体の状況を改善することを主眼にする必要があります。多少薬剤の力を借りることもありますが、効果のある薬を試しながら調整していく必要があります。薬の効き方は人それぞれで、思いがけない薬が効くこともあります。
主に使われている治療薬について掲載致しますが、必ずしも効果がでるわけではないことと、副作用もあることから、主治医とよく相談しながら「自分に効く薬」を根気よく探す必要があります。
そして処方された薬がどういう薬なのかを自分でも理解しておくことが大事です。

一般的な痛み止め(NSAIDs非ステロイド性抗炎症薬)

線維筋痛症は一般的な痛み止めがほとんど効きませんが、中には効果のある人もいます。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

マレイン酸フルボキサミン(商品名:ルボックス、デプロメール)は、脳内のセロトニンの量を増やし神経の働きをよくする薬。

SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

塩酸ミルナシプラン(商品名:トレドミン)があり、脳内のノルアドレナリンとセロトニンの量を増やし、神経の働きをよくする薬。
疼痛を緩和させる作用があると言われています。
​2015年5月27日デュロキセチン塩酸塩(商品名:サインバルタカプセル)が線維筋痛症に対する効能追加が承認されました。

神経障害性疼痛治療薬
20106月にプレガバリン(商品名:リリカカプセル)が線維筋痛症による疼痛治療薬として保険収載されています。

抗うつ薬

抗うつ薬には疼痛をコントロールするメカニズムがあるとされています。

三環系抗うつ薬

アミトリプチリン(商品名:トリプタノール)やアモキサチン

四環系抗うつ剤

塩酸ミアンセリン(商品名:テトラミド)など

抗不安剤

アルブラゾラム(商品名:コンスタン、ソラナックス)など

抗てんかん薬

商品名テグレトール、リボトリールなど

その他

下向性疼痛抑制系神経賦活剤(商品名:ノイロトロピン錠)
睡眠導入剤、睡眠薬を必要に応じて処方されます。

FMの発症のきっかけや、悪化の要因の一つにストレスが挙げられます。痛みのためにうつ状態にもなります。そういう面で抗うつ剤は効きます。もう一つは、FMには痛みの原因となる病変が確認できません。つまり、どこかを怪我して、その痛みが脳に伝わってくるのではなく、「脳の中で知覚刺激を非常に強く感じて痛みとなったり、痛みにブレーキを掛けるメカニズムが弱っている」と考えられ、これには脳内物質のセロトニンが関係していると思われます。何故そうなるのかは、自己免疫異常、代謝異常などまだ研究途中の問題です。中枢神経の中で感じている痛みに対しては、SSRI、SNRIなどの効果が期待されるとされています。