線維筋痛症友の会ニュース-活動報告、イベントご案内 News and guide

2012年06月20日 (水) 09:00

朝日新聞WEBで紹介されました

「痛みの意味」、そして「生きる意味」

 

 

                      アピタル編集部 朴琴順

 全身が痛む原因不明の病気、「線維筋痛症」。この病気の患者は、国内に約200万人と推定されています。原因が分からず、検査しても異常がないということで、なかなか理解されませんでしたが、最近、病名が徐々に知られるようになり、6月、初めて治療薬として「リリカ」が承認されました。(注:あと少しで薬価収載され線維筋痛症の病名で保険適用として処方できるようになります)

 10歳でこの病気を発症し、一時は寝たきりになりながらも、患者会を発足させ、病気への理解を訴えている方がいます。

「線維筋痛症友の会」代表の橋本裕子さんです。本紹介

 この春、ご自身のこれまでの道のりを書いた本、「そうまでして生きるわけ」を出版されました。

 

 3年前、私は新聞連載「患者を生きる」のため、橋本さんを取材させていただきました。連載は現在、WEB新書としてお読み頂けます。「線維筋痛症 痛みの意味 ~患者を生きる~」

 耐えきれない脚の痛みに、「この脚さえ切ってしまえば」と思って、鉄道のレールに脚を載せたという高校生のころ。痛みを少しでも紛らわすために寝ることもなく勉強、仕事に熱中した日々。限界が来て自宅で倒れ、意識のないまま3日間たち、職場の同僚に助け出されたこと。途切れのない痛みに耐えるあまり、奥歯がいつしかぼろぼろになったこと…。

 穏やかな口調の橋本さんのお話は、驚きの連続でした。ご本人が感じておられる「痛み」を、自分で感じることはできないのを、もどかしく感じました。

 橋本さんは、少女時代から「生きる意味」を考え続けていたといいます。そして、この病気になり、戦うことで「意味」を与えられた、そんなお話をしていただきました。それで、連載のサブタイトルは「痛みの意味」にしました。

著書では、橋本さんがずっと考え続けた「生きる意味」への自問自答の軌跡がより詳しく、深く語られています。

「生きる意味は見つかっていないけれど、生きる義務はあると思います」

同じ病気で苦しんでいる方はもちろん、多くの方にぜひ読んで頂きたいと思います。

・WEB新書として「患者を生きる」の記事が配信されています。
http://astand.asahi.com/webshinsho/?iref=gnavi